神戸地方裁判所 平成10年(わ)544号
主文
一 被告人株式会社北神を罰金七〇〇〇万円に処する。
二 被告人蒔野主計を懲役一年六か月に処する。
同被告人に対し、この裁判確定の日から三年間刑の執行を猶予する。
理由
(犯罪事実)
被告人株式会社北神は、神戸市灘区弓ノ木町二丁目一番一二七号に本店を置き、一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物の収集運搬業を営む法人、被告人蒔野主計は、同会社の実質的経営者としてその業務全般を統括していたものであるが、被告人蒔野主計は、同会社の業務に関し、不正の行為により法人税を免れようと企て、
第一 同会社の平成五年四月一日から平成六年三月三一日までの事業年度における所得金額が二億一三三六万一二七三円で、これに対する法人税額が七九一一万六六〇〇円であるにもかかわらず、売上げの一部を除外する等の不正の行為により、所得金額のうち一億七〇三七万四五〇五円を秘匿した上、平成六年五月二六日、同区泉通二丁目一の所轄灘税務署で、同税務署長に対し、所得金額が四二九八万六七六八円で、これに対する法人税額が一五二二万六〇〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、前記事業年度における正規の法人税額七九一一万六六〇〇円との差額六三八九万六〇〇円を免れた。
第二 同会社の平成六年四月一日から平成七年三月三一日までの事業年度における所得金額が一億六〇八五万四六三三円で、これに対する法人税額が五九四〇万三二〇〇円であるにもかかわらず、前同様の不正の行為により、所得金額のうち一億三二八七万三一四九円を秘匿した上、平成七年七月二四日(災害による申告期限の延長)、前記灘税務署で、同税務署長に対し、所得金額が二七九八万一四八四円で、これに対する法人税額が九五七万五八〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、前記事業年度における正規の法人税額五九四〇万三二〇〇円との差額四九八二万七四〇〇円を免れた。
第三 同会社の平成七年四月一日から平成八年三月三一日までの事業年度における所得金額が三億二〇〇〇万六八二三円で、これに対する法人税額が一億一九一五万六〇〇〇円であるにもかかわらず、前同様の不正の行為により、所得金額のうち二億六七四一万五四〇八円を秘匿した上、平成八年五月三〇日、前記灘税務署で、同税務署長に対し、所得金額が五二五九万一四一五円で、これに対する法人税額が一八八七万五四〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、前記事業年度における正規の法人税額一億一九一五万六〇〇〇円との差額一億二八万六〇〇円を免れた。
(証拠)
なお、括弧内の番号は、証拠等関係カードの検察官請求番号を示す。
全部の事実について
1 被告人蒔野主計の
(1) 公判供述
(2) 検察官調書、大蔵事務官に対する質問てん末書(四二通、33から48、50から55、57から76)
2 被告人会社代表者蒔野初子の
(1) 公判供述
(2) 大蔵事務官に対する質問てん末書(六通)
3 蒔野歩光(三通、24から26)、尾崎江美子(一〇通)、船曳壯伴、樫村忠男(二通)の大蔵事務官に対する質問てん末書
4 脱税額計算書説明資料(貸借)
第一の事実について
5 法人税確定申告書謄本(2)
第二の事実について
6 法人税確定申告書謄本(3)
第三の事実について
7 法人税確定申告書(4)
(法令の適用)
一 被告人会社
罰条
第一から第三の行為 いずれも平成一〇年法律第二四号(法人税法等の一部を改正する法律)附則一二条により同法による改正前の法人税法一六四条一項、一五九条一項、二項
併合罪加重 刑法四五条前段、四八条二項(罰金の多額の合計以下で処断)
二 被告人蒔野主計
罰条
第一から第三の行為 いずれも前記改正前の法人税法一五九条一項
刑種の選択 いずれも懲役刑
併合罪加重 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い第三の罪の刑に加重)
刑の執行猶予 刑法二五条一項
(裁判官 白神文弘)